あなたには見えますか…………
俺は休憩時間になっても、ただ虚しさを

感じていた。

そして大きな後悔も……



隣には同じく無言のカオルの姿がある。



いつもなら、きっとまたオサムとカオル

の二人は、言い争っているのだろう。



それを見た俺もまた、いつもの光景だと

苦笑いしていたに違いない。



しかしそれは永遠に経験する事も、感じ

る事もなくなった感情なのだ。



どれ程泣こうが、わめこうが……

懇願しながら嫌だと叫ぼうが……



カオルはそんな空気の漂う中、ポツリと

呟くんだ。



「雅子ちゃんを供養しよう。

二人の為にも、私たちの為にも……」



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