あなたには見えますか…………
放課後はいつもなら、四人で歩く道をカ

オルと二人で帰っている。



松葉杖を地面に当てながら歩く俺を、カ

オルは一緒の歩幅で歩いてくれる。

それが俺には嬉しかった。



だが、なにをするにも、やはり二人の事

を思いだしてしまう。



その度に、忘れてしまいたい雅子の事を

自然と思い出す。


そして俺は、カオルが休憩時間に話した

供養のことが脳裏をかすめていた。



しかし、その勇気はいまはまだ、奮い立

たす事が出来ずにいるのも、また事実な

んだ。






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