あなたには見えますか…………
第3章……夏休み
俺達の夏休みが始まった。

高校生活での最後の夏休みでもある。



例年だと、海や山へと皆で楽しみながら

行く事になっていたのだが、今年はそれ

も出来そうには、なかったんだ。



そう。俺達は村の言い伝えの事で頭がい

っぱいだったからね。



俺達四人は、夏休み初日にマキちゃんの

家で待ち合わせをすることなっている。



マキちゃんの自宅のすぐ隣には、お寺が

静かに建ち、裏手には竹林が広がってい

る。

普段はあまりじっくりと見る機会がない

風景に俺は、寒気も覚えていたんだ。



待ち合わせには、俺、カオル、マキちゃ

んの三人が、真夏日の厳しい日差しの中

で既に集まっていたが、オサムの姿はま

だ見る事は出来ずにいたんだ……



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