あなたには見えますか…………
「さて……何から君たちに話そうか。

君たちは足を崩しても構わないからね。

楽な体勢で座ってなさい。

話は、長くなるだろうから」



俺達が慣れない正座をしているのを察し

てか、マキちゃんの父親はそう優しく話

してくれていたんだ。



俺たちが、足を崩し始めたのを確認する

とマキちゃんの父親は、ゆっくりとした

口調で話し出してくれていた。



「まずは、言い伝えの始まりから話そう

か。とは言っても、私も父親から聞いた

話ではあるのだがね。

きっと70年ほど前に起きたこの村の事件

が、この言い伝えの始まりだと思うが」



そう静かに語りだしていたのだ。

表情を曇らせ、悲しい色にして。


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