あなたには見えますか…………
俺たちは、オサムのお母さんの笑顔とは

真逆の、不安な表情を浮かべたままオサ

ムの部屋へと足を進めて行く。



この時、俺は心の中で(何もない大丈夫

だ)と祈るような気持ちで進んで行くし

かなかった。



しかし、俺たちがオサムの部屋に入ると

オサムの姿はどこにもなかったんだ……



部屋の中には、押し入れの前に剥がされ

たガムテープが散乱し、開け放たれた押

し入れが、俺たちを嘲笑うように口を大

きく開けている。



俺たちをまるで、待っていたと言わんば

かりに。




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