あなたには見えますか…………
俺が自宅に着いた時、家の中にはまたも

母親だけがいる光景であった。



「おかえり、秀弘……お父さんたちには会

えたの?」



「あぁ……オサムの家で……」



「夜ご飯まだでしょ? 今から温めるか

らね」



「ありがとう……お母さん」



「ほらっ! 元気出して! 今頃お父さ

んたちが探してくれているんだから!」



「見つからないよ……オサムは……

お爺ちゃんの言う通りだったんだよ……

押し入れには、悪魔がいるんだ……」



「秀弘……」



俺は、母親の前で涙が止まらなくなって

いたんだ……




しかし、悲劇はこれだけでは済まなかっ

た。

この日の満月の夜は……



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