あなたには見えますか…………
マキはその声を聞きながら、叫ぶのだ。


「黙れ! 黙りなさい! あんたが……

あんたがオサムを……

あんたなんか消えてしまえ! 

あんたなんか……消えて無くなればいい!

返しなさいよ! オサムを! 早く!」




マキは怒りに任せて、押し入れの取っ手

に手を掛け、開こうとした時、マキの後

ろでは声を聞き付けた父親が叫んでいた

のだ。



「マキ! やめろ! 開けるな!

開けてはならん! 挑発に乗るな!」



しかし、その父親の叫びも虚しく、マキ

は勢いのまま押し入れを開けたのだ。



押し入れの中には、着物を来た女の子が

マキの手首をすぐ掴み、ニヤリとした顔

で呟いていた。





「お前も来い…………」




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