ミクロコスモス
愛しいあの人に逢うためにここまで来たんだ。


下車しただけで喜んではいられない。






決意をあらたに、暗い駅のホームを出て、改札を抜け、外へ出た。




駅は暗かったから、眩しい日差しに、思わず目を細める。


目が少し慣れてくると、前に1人の少女が立っていることが分かった。






艶やか黒髪を耳の上で2つに結んでいる、紺色のワンピースを着た少女。




歳は・・・9歳くらいだろうか。


幼いが、整った顔立ちをしていて、随分可愛らしい。





その少女は、真っ直ぐにこちらを見つめていた。


澄んだ漆黒の瞳。

それはどこか神秘的で。



あの人を彷彿とさせた。


どこまでも神秘的で謎めいていた、不思議なあの人。





似ている。


見た目ではなく、雰囲気が。



纏う雰囲気が、とてもよく似ている。




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