ミクロコスモス
・・・ポッポー


汽笛が、遠くの方で聞こえる。





少女はその言葉を聞くと、全てを承知しているというように、こっくりと頷いた。



そして、真っ直ぐにこちらを見上げて言った。






「一緒に探してあげるよ。」




静かな声は、あどけないのに、どこか威厳があって。



心臓が、音を立てた。







――予感がした。


何かが始まる予感が。






そして。




何かが終わる予感が。






・・・ポッポー


汽笛がまた、遠くの方から、聞こえた。





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