ミクロコスモス
おかしい。


この汽車は一体どうなって―――





『あははははっ』







――――――あぁ、そうだった。





不意に蘇った愛しいあの人の笑い声で、その疑問は消えていった。






あの人は、“違う世界”に行くのだと言っていた。


“奇妙な世界”に。








そしてこの自分は、愛しいあの人に逢いに、この汽車に飛び乗ったのだ。


“普通ではない汽車”に。





だから、この汽車がある一定の街だけぐるぐる廻ったとしても、おかしくはない。


むしろ、それこそが“普通”だと言えると思う。






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