ミクロコスモス
哀れまれるような覚えはないんだけど・・・



怪訝な視線を向けるも、少女は表情を変えなかった。



ただ、代わりに聞いてきた。


「とりあえず、答えて。疑問は押し込んで。

傘はあるの?ないの?教えて。」




真っ直ぐすぎるほどの視線が、突き刺さる。


鋭い視線に驚き、怯みながらも平静を保ち、口を開いた。






「・・・折りたたみ傘なら」


そう返せば、少女は俯いて呟いた。



「・・・そう。持ってないのか。」




その呟きに、眉をひそめた。


話が通じていない。





『折りたたみ傘ならある』と言ったのに。


なにがどうして、『持ってない』ことになるのか。




全く分からない。



この少女は、謎すぎる。


まぁ、あの人も謎すぎたから、やはり同類とは言えるけど。




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