ミクロコスモス
なぜ?

なぜこんなに不安になる?



たかが幼い子供の発言だ。

意味の解らない言葉だ。



なのにどうしてこんなに、心が揺れる?






困惑を隠しきれないでいる中。


少女は追い討ちをかけるように、更に言葉を紡ぐ。





「きっと、あなたは。

冷たい冷たい雫に、身体を打ち付けられて。

とっても、寒くなっちゃうの」




少女は、そこまで言うと、こっちに真っ直ぐ視線を向けて。


労わるような、顔をした。





心が揺れる、揺れる、揺れる。

ぐらんぐらんぐらんと。


もやもやした灰色の雲が、心の中を覆って、覆って、覆って。




吐き出したくなった。


心の中を占領する、灰色の雲も。

ぐらんぐらん揺れる心も。


全部、全部。




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