ミクロコスモス
「これは、いけないわ。」



かすかに眉をひそめる。


果実に対する大きすぎるほどの哀れみが見えた。





ごくりっ・・・

喉が鳴った。



娘のあまりの妖艶さと、予感に。








「――この果実からは罪の臭いがしますもの。」



俺の心臓が、一際大きく跳ねた。


娘はそんな俺を見て、すっと冷笑を浮かべる。







「・・・愚かしい罪人。」



どこまでも冷たく美しい笑みを浮かべたまま。


娘は吐き捨てた。





そして、その言葉を吐き捨てたその唇を、果実に寄せる。




――次の瞬間、俺は驚愕に目を見開いた。







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