ミクロコスモス
娘が口を開き、果実にその白い歯を立て――
がぶっと、かじりついたからだ。
「な、にを・・・」
信じられない。
だって、だってこの娘は、この娘は、何かを、悟っていたんじゃないか?
だからこそ、『罪の匂い』なんて言葉を言ったのでは?
「それは・・・それには・・・・・・」
冷や汗がふきだす。
あわあわと唇を動かし、かすれた声で言葉を紡ぐ。
「知ってるわ。」
うろたえきった俺に、娘はにっこりと微笑んだ。
完璧な笑み。
絶対的な口調。
娘はふふふと可憐に微笑み、舌で、唇の端についた果汁をぺろりとなめとる。
がぶっと、かじりついたからだ。
「な、にを・・・」
信じられない。
だって、だってこの娘は、この娘は、何かを、悟っていたんじゃないか?
だからこそ、『罪の匂い』なんて言葉を言ったのでは?
「それは・・・それには・・・・・・」
冷や汗がふきだす。
あわあわと唇を動かし、かすれた声で言葉を紡ぐ。
「知ってるわ。」
うろたえきった俺に、娘はにっこりと微笑んだ。
完璧な笑み。
絶対的な口調。
娘はふふふと可憐に微笑み、舌で、唇の端についた果汁をぺろりとなめとる。