ミクロコスモス
な、んだ・・・この不安。

あの人は、もしかして、あの人は――



嫌な汗が背中をつたう。

妙な焦りを感じながら、早口に聞いた。


「そ、それで、どこにいるの?」


「――ここ。」




少女が指をさした。


え?

なんで。





なんで足元を指差すの?








ドクンとまたもや心臓が音を立てる。

急に身体が、心が、冷えていく。



恐怖と不安を押し込め、それでも少女の指差したところに目をやって――



目を、見開いた。







すぐに少女に目を移す。



「どういう、こと?」


――怒りを抑えて。




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