ミクロコスモス
「まぁ、普通はそう不思議に思うよね。」


同調するように頷いてみせる。

けれど次の瞬間、少女はすっと笑みを消した。




「――逢いたかったんだよね?」


唐突に発せられた問いかけ。

真っ直ぐに黒い瞳はこちらを捕らえる。



「どうしてもどうしても逢いたくて、だからここに来たんだよね?」



いきなりだけど真剣な問いに、頷いた。


「そうだよ。逢いたかったんだ。

どうしても、あの人に・・・愛しいあの人に、逢いたかった。」



答えを聞いた少女は、厳かに頷いた。


「だよね。じゃなきゃ汽車はここにあなたを降ろさない――。

・・・・・・どうしても逢いたいのなら、聞いて。」



少女は、まるで戦いを挑むかのように、言う。



「信じて。」




その、あまりに真摯な声に、頷いた。

頷かないでなんかいられなかった。




それを見た、少女は、静かに告げた。



「あなたの探している人は、その宝石の中に――

―――閉じ込められちゃったの。」





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