ミクロコスモス
「・・・そう、僕は探している。

逢いたいんだ。レイラに。」



僕の言葉に、少女はふっと息を吐き、こちらを真っ直ぐに見つめた。




レイラのハシバミ色の瞳とは正反対の、漆黒の瞳。


なのにレイラを彷彿とさせるのは、なぜだろう。



こんなにも真っ直ぐに相手を見れる人を、他に知らないからだろうか。





少女は、ふわりと笑った。




「なら、行くしかないよ」



あっさりと、あっけらかんと、少女は言う。



「どうせ、覚悟して探していたんでしょ?」




全てを見透かすかのように。

全てを承知しているのかのように。




あぁ、やっぱり――。


やっぱり、この少女には敵わない。



敵いそうもない。


僕は思わず苦笑してしまった。



無意識に、たかが少女だと思っていたのだと気付いて。





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