年下オトコたちの誘惑【完】
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「……ちゃん、杏ちゃん」
「…んっ」

誰かの声が聞こえる、気がする…。でも、もうちょっとだけ寝かせて…。

「ぜーんぜん、起きひん。お、これはアレやな‼︎王子様のキスで、お姫様起こさな‼︎」

んー、なんか楓に似た変な関西弁が聞こえる気がする…。

「杏姫。ボクの口付けで、必ずしや貴方の目を覚ましてみせますね」

あれ。なんか変な関西弁、聞こえない。誰？これは、誰の声…？

その時、クチビルが温かくなった。

「……んっ」

アレ？これは、夢…だよね？現実…ではないはず。

でも、感触がリアルな気がする…。そして、だんだんと息苦しくなってきた。

ゆっくり夢の中で手を動かしてみる。うん、やっぱりわたしの上に誰かいる。

夢。きっと夢だけど…。誰か知りたい。目を開けてみよう。

おそるおそる、目を開けてみる…。最初は薄っすらと。

あ、れ…。ドアップすぎて誰か分からないけど…。

楓に似てる気がする…。そして、その楓らしき人の目がゆっくりと開いた。

「……っ‼︎」

やっぱり、楓っ‼︎え、あれ、これは夢⁉︎現実⁉︎

やだっ、わかんない‼︎わかんないっ‼︎

わたしの脳がパニックを起こした。
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