年下オトコたちの誘惑【完】
『はぁ…』と、尚樹の溜め息が聞こえ見上げた。

「お前たちは、くっついたの」
「えぇっ⁉︎」

驚きながらも、ブルンブルンと顔を横に振った。

「納得いかないけど、杏だって好きなんじゃないの。碧都しか見てないみたいだし」

わたし、碧都しか見てない…?自然と目で追ってるのかな…。

だとしたら、恥ずかしい‼︎

「碧都なんかのどこがいいの」
「え」

そんなこと聞かれましても…。わたしは、なんと答えれば…。

それに好きだけど、付き合えないし…。まだ考えられないし…。

「俺のほうが、杏のこと泣かせないと思うんだけど」

尚樹は、すごくステキだよ。頼りになるし、結構周りを見てるし。

常に冷静だし、みんなをまとめる力も持ってるし。

でも、なんだろう。どうして、わたし碧都に惹かれてるんだろう…。

ふ、と見せるあの笑顔。そんなところに思わず、ドキッとしてしまうのも事実。

でも、なんか違う気がする。でも、それがなにかは分からなくて。

「俺が口説いてんのに、碧都のこと考えてんだ」
「えっ?あ、ごめっ」

って、謝ったら『碧都のこと考えてました』って言ってるようなもんじゃないの‼︎

慌てて口を押さえたけど、こんなのバレバレだよね…。
< 157 / 235 >

この作品をシェア

pagetop