年下オトコたちの誘惑【完】
10分待ってる間、何度も聞いてくる、しつこい碧都。

言えるわけないじゃない、変態な妄想してました!なんて。

やっと10分経って、碧都を無視したまま、そっと蓋を開けた。

あああ、お腹減ってくる…。昨日も今日もお昼食べる時間はあったけど、昼時は混むからと早めの昼食なんだよね。

飲食店は、みんなそうなのかもしれないけど…。

「腹減ったか?」
「えっ?」

火を止めた時、横にいた碧都に聞かれ顔をあげた。

「うん、ちょっと減ったかな…」

ううん、ほんとはだいぶ減ってるけど、そこは決して言わない。

「とりあえず、これ完成させて客に出すぞ」
「あ、うん」

丸くて白いお皿に、キャベツの千切りと、ミニトマトを二つ。

そこの下の空間にハンバーグを置いて、今度はソース作り。

「ソースはなに用意する?」
「え?わたしのでいいの…?」

だってこの店には、この店の味というものがあるんじゃないの…?

「あぁ、いいよ。ここは、俺らも客も自由だ。客が食いたいものを食わせるし、材料がなかったり、こっちが作れないものは作らねぇ。だから、杏は杏のハンバーグを作ればいい」

なんて店だ。でも、お客さんにとったら嬉しいのかな。

食べたいものが、食べれるわけだし。好きな味かは分からないけれど。
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