年下オトコたちの誘惑【完】
「じゃぁ…。ケチャップとソースとお醤油、でいいかな」
「ん、持ってくる」

なんか全部碧都に、やらせてる気がする…。でも場所わかんないし、甘えていいのかな。

「ほら。俺は量わかんねぇから、杏がやれよ?」
「うん。って、わたしもいつも適当なんだけどなぁ」

計ったことなんてないし…。特にソースなんて。

なんとかなるかなぁ?と、フライパンを見るとハンバーグを焼いた後の肉汁が、かなり残っていた。

「杏、それ捨てんのか?」
「うん、少し。こんなに油わたしは、いらないかなって」

ソースを作る時、ハンバーグを焼いた後にって聞くけど、ギトギトのソースは好きじゃなくて。

ちょっとキッチンペーパーで、拭き取った後、ケチャップとソースを同量入れ、火にかけ温める。

フツフツしたところで、わたしはいつもお醤油をほんの少しだけ入れる。

ほんの少しでも、味が変わるんだよね。それをハンバーグに、たっぷりとかけた。

「出来たっ」
「うまそうじゃん」
「ホント…?」

うまそう、と言ってくれるだけで、どうしてこうもテンションが上がるのだろう。

碧都に作ったわけじゃないんだから、碧都が、食べるわけでもないのに。
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