年下オトコたちの誘惑【完】
「杏、なに食いたい?」
「えっ?わたし…?」
「ん、腹減ってんだろ?なんでも好きなモン作ってやるよ」

オトコノヒトに料理作ってもらうなんて、初めてかも…。

真哉にだって言われたことないし。いつもわたしが作ってた。

今まで付き合った人も、そんな数は多くないけど、碧都みたいな人はいなかったなぁ。

「好きなモンねぇの?」
「…ある」

わたしが一番大好きな食べ物。あったら必ずと言っていいほど、頼んじゃう。

「なに、杏の好きなモンって」
「カルボナーラ…好きなの」

って、やっぱり難しいんだよね?だって碧都なにも言ってくれないし…。

「もう一回、言ってくんない」
「えぇっ?…カルボナーラだよ」
「ちげぇよ、その後」

その後…?カルボナーラの、後…?

「好きなの…?」
「疑問系じゃなかったろ」
「はぁ?もう、なにが言いたいのよ」

意味わかんない。どうして、カルボナーラの後が大事なのよ。

でも、ずっとわたしを見てるし。言わないと作ってくれそうにないし…。

はぁ…と一つ溜め息を吐くと、碧都を見て告げた。

「好きなの」

これでいいんでしょ?まったく、なにがしたかったのか…。

「って、なんで顔赤いのよ‼︎」
「っ、うるせーよ」
「うるさいとは、なによ‼︎言わせといて‼︎って、あ‼︎好きって、あれか‼︎わたし碧都じゃなくてカルボナーラが好きなんだからね‼︎」

そういうことか‼︎あー、なんでわたし気付かなかったのよ‼︎恥ずかしすぎる‼︎
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