年下オトコたちの誘惑【完】
「気付かない杏が悪い」
「なっ⁉︎この、変態‼︎」
「うるさいぞ。お前らはガキかよ」

碧都と言い合っていると、尚樹が入ってきた。

「だって、尚樹‼︎碧都が悪いんだよ‼︎」
「なんでも俺のせいにすんな」
「あー、わかったから。杏、お前はどっかその辺好きな席座ってろ。碧都は、カルボナーラ作るんだろ?それとも俺が、カルボナーラ作ろうか」

また始まったわたしたちの言い合いに、間に入った尚樹。

「ダメに決まってんだろが。俺が作るんだ‼︎」

よっぽど尚樹が作ることは、許せなかったんだろう。碧都は、少し声を張り上げた。

「ったく、見せつけんなよな。俺だって杏を独占したいっつーの」

ど、独占…⁉︎そんなサラッと、すごいこと言わないでよ尚樹‼︎

「わ、わたしアッチ座ってる」

もう、ここにいたくなくて、すぐさま二人から距離を取るとカウンターを出てすぐ、端っこの席に腰を下ろした。

「お客様、お飲み物は?」
「えっ?あ、眞一郎。やだなぁ、飲み物なんて。水でいいよ」

ふぅ、と溜め息を吐いたすぐ後に声をかけてきたのは、眞一郎で。

「水でいいの?じゃぁ、どうぞ」
「うん、ありがとう」

トレイにお水は用意してたのか、スッとお水を出され、わたしはすぐに一口飲んで、まだ残ってた熱を冷やすことにした。
< 172 / 235 >

この作品をシェア

pagetop