年下オトコたちの誘惑【完】
待ってる間、カウンター内にいる碧都に目がいった。

碧都はフライパンを煽っていて、わたしの為に作ってくれてるのだと思ったら、自然と口角が上がった。

あ、なんか探してる…?
尚樹に声かけてる。
あー、生クリームがなかったんだ。
ふふっ、ちょっと慌ててる碧都って可愛いかも。

「ホンマに、あーちゃんが好きなんやねぇ」
「えっ⁉︎か、楓っ⁉︎」

いつからいたの‼︎絶対わたし笑ってたの、バレてるよね…。

「ほら、見てみ」
「ん?」

楓がアゴで、しゃくった場所。それは碧都ではなく、スーツを着た男性二人。

知り合いでもないし、どうして楓は、わたしに『見ろ』と言ったんだろう。

「あ。わたしが作った、ハンバーグだ」

楓が教えてくれたのは、ハンバーグを注文してくれたお客さんで。

「杏の作ったハンバーグ、うまそうに食ってるやん?」
「で、でも。タネは、わたし作ってないし…」
「でも、ソースだって大事やろ?ソースがマズくても、杏ちゃんは美味しいと思えるん?」
「それはぁ…」

確かにそうだけど…。でも、あんなソース誰だって作れるし…。

「杏ちゃんの分量やから、美味しいんや。わかったか?」
「う、うん…」

そう言われると、悪い気はしないかな…。楓の言葉に、もう一度お客さんを見た。
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