年下オトコたちの誘惑【完】
「眞一郎くん」
「はいはぁい‼︎」

もう一度見ると、一人の男性が眞一郎を呼んだ。

「このハンバーグ、いつもとチガウよね?」
「うん、杏ちゃんが作ったからね‼︎」

って‼︎わたしの名前‼︎勝手に出さないでよ‼︎

と、思ってると眞一郎と目が、バチッ‼︎と合った。

「あの子が、杏ちゃんだよ‼︎」

って、また‼︎勝手に紹介しないでよー‼︎ほら、二人ともこっち見たじゃない‼︎

とりあえず、軽く会釈をすると向こうも会釈をした。

すると、男性二人が席を立ってこちらに向かって歩いてきた。

「えっ⁉︎ど、どうしよ‼︎楓‼︎わたし、怒られちゃうよ‼︎」
「えぇ?大丈夫やろ」

なに、この適当な感じ‼︎信じらんない‼︎

「あの」
「は、はいっ‼︎あの、すみません‼︎」
「はい?」

お客さんに声をかけられて、素早くわたしは立ち上がり頭を下げると、上から気の抜けた声がした。

「え…?」
「あ、いやー。すごく美味しかったな、と思って」
「えぇっ⁉︎ほんと、ですか…?」
「ほんとだよ。またキミの料理食べに来るよ」

ひゃぁ…。なんて嬉しい言葉なんだろ…。となりの男性も笑顔で頷いてくれてるっ。

「あのっ、ぜひまた‼︎…ったい‼︎」
「あ、悪りぃ。手が滑った」

そう言って、わたしたちの会話に邪魔をしてきたのは、もちろん碧都。

って、なにも頭を叩くことないじゃない‼︎一応、レディなんだから‼︎
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