彼氏人形（ホラー）
☆☆☆

ダイニングへと入って行くと料理中のお母さんが振り向いた。


「あら、今日はもう体調大丈夫なの？」


そう聞かれて、一瞬なんのことあわからずにキョトンとしてしまう。


だけどすぐ、昨日仮病を使ったのだと言う事を思い出した。


「う、うん。もう大丈夫」


「それなら良かった。陽子が晩ご飯も食べずに寝るんて、珍しいわね」


「うん。昨日は本当に調子が悪かったの」


そう答えながら、椅子に座る。


本当はお腹が空きすぎて気分が悪くなってきたところだった。


あたしは出されたご飯を一気に口に入れ、味わう暇もなく飲みこんだ。


１口食べると少し気分が落ち着いて、２口目はゆっくりと味わって食べる。


そうしていると、前に座ったお母さんがあたしの顔をジロジロ見てきていることに気が付いた。
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