彼氏人形(ホラー)
☆☆☆
校舎裏にいたあたしたちはそのままコッソリ学校を抜け出し、実紗の家に向かっていた。
制服姿の3人が歩いていると不振がられると思ったので、実紗が体調を崩したように見せかけていた。
無言のまま歩くあたしたちに、有里が時々不安そうな表情を投げかけてきた。
今から実紗の家に行って葵君の動きを止めようとしているのだから、当然だ。
その恐怖を身をもって知らない有里でさえ、実紗の腕を見てこうして怯えている。
「実紗、今日ご両親は?」
「今日は2人とも出かけているわ。家には葵1人」
あたしの言葉に、実紗がそう返事をする。
「それならよかった」
あたしは実紗のご両親にも嘘をつく必要があると思っていたので、胸をなで下ろす。
「ここよ」
実紗が2階建の大きな家の前で立ち止まった。
有里がその家を見上げる。
「行くよ」
あたしはそう言い、玄関のドアに手をかけたのだった。
校舎裏にいたあたしたちはそのままコッソリ学校を抜け出し、実紗の家に向かっていた。
制服姿の3人が歩いていると不振がられると思ったので、実紗が体調を崩したように見せかけていた。
無言のまま歩くあたしたちに、有里が時々不安そうな表情を投げかけてきた。
今から実紗の家に行って葵君の動きを止めようとしているのだから、当然だ。
その恐怖を身をもって知らない有里でさえ、実紗の腕を見てこうして怯えている。
「実紗、今日ご両親は?」
「今日は2人とも出かけているわ。家には葵1人」
あたしの言葉に、実紗がそう返事をする。
「それならよかった」
あたしは実紗のご両親にも嘘をつく必要があると思っていたので、胸をなで下ろす。
「ここよ」
実紗が2階建の大きな家の前で立ち止まった。
有里がその家を見上げる。
「行くよ」
あたしはそう言い、玄関のドアに手をかけたのだった。