彼氏人形(ホラー)
出会いの場所
逃げるように実紗の家から出てきたあたしと有里は、しばらくその場から動くことができなかった。


『あたしは葵と2人でも大丈夫だから。2人は他に解決策がないか考えてみて』


と、言ってあたしたち2人にこれ以上危害が加わる前に実紗は家からあたしたちを追いだしたのだ。


「本当に大丈夫なのかな……」


有里が首をさすりながら2階の部屋を見上げる。


白いレースのカーテンがひかれていて中は見えない。


「なにかあればすぐに連絡するようには言ってあるんだけれど、連絡できない状態の時もあると思う」


有里がなす術もなかったのを見ると、連絡できる状態の時はまだマシなのだと感じた。


「どうするの、これから」


有里にそう聞かれてあたしは考え込んだ。
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