彼氏人形(ホラー)
どうやって家族にバレないようにしていたのかわからないけれど、これだけ大きな家なら十分に【彼氏人形】を隠しておくスペースはありそうだ。
1か月2か月と生活が続くにつれて、依子さんが載せているイラストはまた白黒のものが目立ってきた。
文面も暗く落ち込むようなものが多くなり、痛い痛いと文字連ねている時もある。
「この時、依子さんは【彼氏人形】から暴力を受けていたと思います」
「そんな……あたし、全然気が付かなかった……」
恭子さんが両手で口をおおい、目に涙を浮かべる。
身内の変化に気が付かず、初めて知った事実があまりにも衝撃的すぎたのだろう。
さっきから指先が小刻みに震えているのがわかった。
「依子さん、それでも【彼氏人形】を捨てたりスイッチを切ろうとはしなかったんですね」
あたしはブログに視線を戻して、そう呟いた。
暴力に耐える様子はうかがえても、相手を責めるような文章はまだ出てこない。
亡くなった明さんそっくりに作ったためか、随分と我慢していたみたいだ。
更に読み進めていくと、依子さんは自分が衰弱していく様子を書くようになっていた。
1か月2か月と生活が続くにつれて、依子さんが載せているイラストはまた白黒のものが目立ってきた。
文面も暗く落ち込むようなものが多くなり、痛い痛いと文字連ねている時もある。
「この時、依子さんは【彼氏人形】から暴力を受けていたと思います」
「そんな……あたし、全然気が付かなかった……」
恭子さんが両手で口をおおい、目に涙を浮かべる。
身内の変化に気が付かず、初めて知った事実があまりにも衝撃的すぎたのだろう。
さっきから指先が小刻みに震えているのがわかった。
「依子さん、それでも【彼氏人形】を捨てたりスイッチを切ろうとはしなかったんですね」
あたしはブログに視線を戻して、そう呟いた。
暴力に耐える様子はうかがえても、相手を責めるような文章はまだ出てこない。
亡くなった明さんそっくりに作ったためか、随分と我慢していたみたいだ。
更に読み進めていくと、依子さんは自分が衰弱していく様子を書くようになっていた。