彼氏人形(ホラー)
あたしはその場所で頭を抱えてうずくまってしまいたくなる感情を、必死に胸の奥にしまい込んだ。


「とにかく、支払いは後回しにしても今日行くだけ行ってみようよ」


実紗が少し落着いた口調でそう言った。


どうして行く気にならないのかとイライラするのを、実紗も我慢している。


「……わかった。行くだけ行ってみようか」


あたしはしぶしぶそう頷いたのだった。
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