彼氏人形(ホラー)
☆☆☆
蒼太との楽しい会話を続けていると、あっという間に電車は目的の駅に到着した。
太陽は徐々に真上へと向かっていて、もうすぐお昼という時間。
あたしたちは住所を頼りに藤井さんの実家までたどり着いていた。
その家は2階建ての一軒家で、灰色の塀をくぐってすぐのところが玄関になっていた。
あたしは茶色いドアの玄関前に立ち、表札を確認した。
木製の表札には【赤上】と書かれている。
あたしは運転手さんからもらったファイルを取り出し、確認する。
そこには【旧姓、または本名は赤上か?】と、走り書きがされている。
ここが藤井さん実家かどうか、それが今のあたしにとっては大問題だった。
万が一、違ったら?
あたしは無関係な人の家に蒼太を連れてきてしまったことになる。
そして蒼太はきっと、その人があたしたちを別れさせようとしているのだと思い
込み、手を出すだろう。
そうなったら、あたしは一体どうすればいいのかわからない。
でも……。
もう、これしか方法がないんだ……。
あたしは意を決し、その家のチャイムを鳴らしたのだった……
蒼太との楽しい会話を続けていると、あっという間に電車は目的の駅に到着した。
太陽は徐々に真上へと向かっていて、もうすぐお昼という時間。
あたしたちは住所を頼りに藤井さんの実家までたどり着いていた。
その家は2階建ての一軒家で、灰色の塀をくぐってすぐのところが玄関になっていた。
あたしは茶色いドアの玄関前に立ち、表札を確認した。
木製の表札には【赤上】と書かれている。
あたしは運転手さんからもらったファイルを取り出し、確認する。
そこには【旧姓、または本名は赤上か?】と、走り書きがされている。
ここが藤井さん実家かどうか、それが今のあたしにとっては大問題だった。
万が一、違ったら?
あたしは無関係な人の家に蒼太を連れてきてしまったことになる。
そして蒼太はきっと、その人があたしたちを別れさせようとしているのだと思い
込み、手を出すだろう。
そうなったら、あたしは一体どうすればいいのかわからない。
でも……。
もう、これしか方法がないんだ……。
あたしは意を決し、その家のチャイムを鳴らしたのだった……