彼氏人形(ホラー)
☆☆☆
藤井さんの実家から歩いて3分ほどの場所にある公園について、あたしたちは対峙した。
「昨日実紗のお葬式でした」
あたしはまっすぐに藤井さんを見てそう言った。
「そうだったの」
藤井さんは特に驚いた表情も見せず、そう答える。
死ぬことは最初から知っていた。
そんな雰囲気だ。
あたしは湧いてくる怒りをなんとか自分の中へ押し込む。
「実紗は【彼氏人形】に殺されました。あなが売った人形です」
「そう。でも、それを一体誰が信じるかしら? それに、その彼氏人形は今どこへ行ったの?」
藤井さんは薄ら笑いを浮かべてそう言う。
誰も信じてくれないこと、葵君がすでにいなくなってしまったことを藤井さんは知っているのだ。
きっと、今まで売ってきた人形と持ち主の末路を全部知っているからだ。
「それはあたしが聞きたいことです。葵君は一体どこへ行ったんですか?」
「それはね。本当の持ち主の場所へ帰ったのよ」
「……本当の持ち主?」
藤井さんの実家から歩いて3分ほどの場所にある公園について、あたしたちは対峙した。
「昨日実紗のお葬式でした」
あたしはまっすぐに藤井さんを見てそう言った。
「そうだったの」
藤井さんは特に驚いた表情も見せず、そう答える。
死ぬことは最初から知っていた。
そんな雰囲気だ。
あたしは湧いてくる怒りをなんとか自分の中へ押し込む。
「実紗は【彼氏人形】に殺されました。あなが売った人形です」
「そう。でも、それを一体誰が信じるかしら? それに、その彼氏人形は今どこへ行ったの?」
藤井さんは薄ら笑いを浮かべてそう言う。
誰も信じてくれないこと、葵君がすでにいなくなってしまったことを藤井さんは知っているのだ。
きっと、今まで売ってきた人形と持ち主の末路を全部知っているからだ。
「それはあたしが聞きたいことです。葵君は一体どこへ行ったんですか?」
「それはね。本当の持ち主の場所へ帰ったのよ」
「……本当の持ち主?」