彼氏人形(ホラー)
あのお店の中に置かれているパーツはどれも整っていて綺麗で、だけどどれ1つとして同じものはなかった。
それはこのUFOキャッチャーの中のぬいぐるみと同じことなのに、お店の中には温もりが感じられなかった。
整然を置かれた商品。
ぬいぐるみよりもずっとリアルにできていて、動くこともできる人形。
それなのに、彼氏人形には温もりがないのだ。
蒼太の笑顔はとても素敵だけれど、それは表面の皮膚だけでほほ笑んでいて、本心からではない。
人形に心を求めること自体間違っているのかもしれないが、あたしは少しだけ胸が痛んだ。
ゲームセンターの中をグルリと見て回っていると、不意に見慣れた顔が目の前に現れてあたしはその場に立ち止まった。
「葵君……?」
葵君はゲームセンターの自動ドアから入ってきて、すぐにあたしに気が付き近づいてきた。
「陽子ちゃん、実紗を見なかった?」
それはこのUFOキャッチャーの中のぬいぐるみと同じことなのに、お店の中には温もりが感じられなかった。
整然を置かれた商品。
ぬいぐるみよりもずっとリアルにできていて、動くこともできる人形。
それなのに、彼氏人形には温もりがないのだ。
蒼太の笑顔はとても素敵だけれど、それは表面の皮膚だけでほほ笑んでいて、本心からではない。
人形に心を求めること自体間違っているのかもしれないが、あたしは少しだけ胸が痛んだ。
ゲームセンターの中をグルリと見て回っていると、不意に見慣れた顔が目の前に現れてあたしはその場に立ち止まった。
「葵君……?」
葵君はゲームセンターの自動ドアから入ってきて、すぐにあたしに気が付き近づいてきた。
「陽子ちゃん、実紗を見なかった?」