あの日あの時...あの場所で
貰ったジュースを飲みながら、部屋の中を見渡す。
大型テレビに、テーブルを囲むように4つの大きなソファー、隅には冷蔵庫もあって、テーブルの下に引かれてるのはふかふかのラグ。
居心地のいい空間に思えた。
あ、本棚もある。
殆ど漫画本だけど、小説も少しあるみたい。
ま、快適に過ごせそうな感じね。
私と咲留の座るソファーの対面のソファーには変態金髪。
で、こちらから見て左手にちぃ君が座っててその隣には女の子がいる。
どうして、私は彼女に睨まれてるのかな?
あの人も面倒臭い分類に入ることは間違いない。
で、右手のソファーに寝転ぶのはさっきジュースをくれた健。
......ここって、変態の巣窟だな。
だいたい、こう言うパターンて一人ぐらいクールキャラが居るはずなんだけど、どうやらここには存在していないようだ。
ストッパーの居ない変態って、大変危険です。
「瑠樹、どうかしたのか?」
そんなくりくりお目目で覗き込むのは止めましょう。
「あ、うん。ここって変態の巣窟だな?って思って」
嘘がつけないので、思ってることを言ってみた。
「そうだな。だから兄ちゃんの側を離れんなよ?」
うんうんと頷いた咲留は、私を猫でも撫でるような手つきで撫で回す。
「えっ?妹なん?マジで?」
ニヤリと笑うな変態金髪。
「手ぇ出したら沈めるぞ」
咲留は唸る。
「いやん、お兄ちゃんったら連れないわ」
ウインクとか気持ち悪いです。
「お前の兄貴にはなった覚えねぇ」
あぁ、咲留がキレてる。
「な。自己紹介しようよ」
健が名案とばかりに手を上げる。
別にそんなの良いのに。
「おっええな!先ずは俺から、西新庄源次(ニシシンジョウゲンジ)よろしゅうな?」
ほんと、残念な男前だよ。
「俺は庄司健ヨロシクね」
そのウインク必要ないし。
「俺は知ってるから良いよな?瑠樹」
ちぃ君の言葉にうんと頷いた。
「で、君はなんて名前や?」
源次が身を乗り出すように聞いてくる。