あの日あの時...あの場所で
「えぇ、この辺はここ三年都市開発が激しくて、随分とビルが建ち並びました」
運転手の教えてくれた通り高いビルが増えてる。
以前は空き地だった場所も川沿いも、見知らぬ建物が建っていた。
「三年は短いようで長いですね」
薄く笑った。
胸の奥が少し寂しさを感じていた。
「そうかも知れないけれど、変わっていない物も沢山ありますよ。そう寂しがらないでくださいね?」
運転手は、シワの寄った顔で優しく微笑んでくれる。
変わらないものも.....ある...か。
ふっと口元が緩む。
変わらない物、それは私の心。
立ち止まったままで、前にも後ろにも動けずにいる。