愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「うん、その人だよ」
「あー、以外とモテるからなーあいつ」
『あー、圭太以外とモテるよね』
あの頃がまたよみがえる。
あの頃は、分かっていた。
だけど、それでも一緒に居られた。
でも、でももう、今回は…違う。
私だけじゃない。
誰もが羨む圭太。
私もあの頃は皆に羨ましがられていた。
そんな事、気にもしなかった。
「千尋ってさ、圭太とすっごく仲いいけど喧嘩するよねー。」
「今も喧嘩中なんでしょ?原因は何ー?」
「……しらない、あいつなんか…。」