愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
感情の裏表
「嫌だなぁ~、本当。」
さゆり、奈美、華奈、そして私。
市の図書館で勉強をすることになった。
1時間、2時間たって飽き始めた頃だった。
圭太が話題に出た。
「ねぇ千尋、あいつのどこがいいの?私が思うに、どーしてそこまで想うのかなって。もうほったらかしにされて今じゃあの子と一緒じゃん?」
奈美がそう言った。
「本当ムカつくよね!うちあの子大嫌い!だって彼氏いるんだよ?それなのにいつもいつも……!」
腹を立て始めたのはさゆり。
私もそう思う。
ああ、今まで分からなかった。