愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
バカにされた。
だから言い返した。
それでいいじゃん。
どうして?
「まだ圭太のこと好きなのか?」
田中君の一言に言葉を詰まらせた。
「私だって…早く圭太を忘れたいのに…。」
「…好きなら、まだ終わってないよ。」
終わったんだよ、もう終わったんだよ!
何も知らないくせに。
私がどんな気持ちだったか、辛かったかも何も知らないくせに…!
「お願い千尋、うち、全部受け止めるよ? だからなにも知らないくせにだなんて言わないで?」
さゆり…。
これが最後だったら、もう全てを話そう。