愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「~♪」
ケータイが鳴る。私は受け取った。
「もしもし?」
向こうから声がした。
懐かしい声だった。
「おい聞こえてんのか」
「け…けい…たなの?」
「他に誰いる。俺のケータイなんだから俺しかいねぇだろバーカ。」
心が踊る。
「す、すぐ行く!ちょ、ちょっと待って!」
「おいバカ、そっちじゃねぇ!」
「…え?」
左へ曲がろうとした私にケータイの向こうから大きな声がした。