愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「…いいから真っ直ぐ進めバカ」
少し間があった。
「う、うん、」
「んじゃ。―――――プー」
約7分間の通話だった。
言われた通りに真っ直ぐ進んだ。
「千尋ー!」
「え?」
何処からか声が聞こえた。
振り返ると―――
「あぶねぇ!千尋!!」
後ろから引っ張られる。体勢を崩した。
「お前今俺いなかったら死んでたぞ!」
状況がうまくつかめない。
ただ、圭太が必死な顔でいることしか分からなかった。