愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】

「夕日君!今日はピアノ弾かないの?」

「うん。もう弾かないよ。」

いつもこの時間、音楽室でピアノを弾いてるのに。

夕日君の弾いてる音がするのに、最近聞こえなくなった。

好きだったあのメロディ。

もうないのかな…。

急に足を止めた。

「…夕日君?」

「俺さ…あまりそーゆーのなれてないんだ。」

…あ。気づいてしまった。
そうだ、ずっと夕日君といる。


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