愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「冗談も効かねーの?よろしく千尋。」


「うん…よろしくね」


自分から話しかけるのが恥ずかしくて出来なかった。


席だって遠い。
話すきっかけもつくれなくて。



それでもよかった。


私も、勇気をしぼって加藤君のところに行きたい。


朝はおはようって言って帰りはまたねって言ってまた明日を迎えたい。


だけど、恥ずかしいよ…。


私なんかがそれくらいのことで関わるなんて。


本当は沢山話したいのに。
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