愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】

「いや。…俺さ、何年か前に生徒を失ってるんだよ。」


先生は静かな声で呟いた。


「精神的に苦しかったんだろうな、窓から飛び降りやがって。本当馬鹿野郎だ。
これからの人生なんでもいい事があるわけねぇじゃん。
そんなんでへこたれて将来どうすんだよ。
…大丈夫だと思っていた。
信じてた。
けど、もう失っちまったもんはしかたねぇ。
…死のうと思う前に思い出せよ、お前の思い出2度と思い返せねぇんだよ。」


先生…どうしてそんな悲しい顔で私を見るの?


「お前なら出来る。自分自身と戦え勝つんだ。」
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