愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】



そこに座っていたのは夕日君だった。

あれ?なんで居るの?

どうしてあの人じゃないの?

夕日君はC 組でしょ?

だけど、行かないで。待って。

1つ前の席に圭太が座っている。

私の目の前、右には圭太が座っている。

左には夕日君が座っている。

やり直せるはずなのに。

私の今の席は1つ後ろの夕日君が座っている隣の席。

圭太が座っている隣の席。

そこに座ればやり直せる。

でも夕日君が居る。

夕日君と圭太…。

私は選ぶことができないまま、ただそこに立っていた。
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