愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
打ち消された勇気
「おはよう、夕日君」
最近、夕日君の様子がおかしい。
ずっと黙ってばっかで。
「夕日君、どうしたの?」
声を掛けてみるが、返事はこない。
もしかして、私のせい…?
私はそれから夕日君に話しかけることができなかった。
どうしよう…!どうしよう…!
いやだいやだ!
また思い出す。
隣で話しかけてもずっと話してくれなかったあの頃。
あぁ…嫌だ…やっと一歩踏み出せると思えたのに…もう遅かった…。