愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「ゆーちゃん、ゆゆと付き合ってたんだよ…。」
聞いた瞬間体が凍りついた。
うまく感情が言葉に表せない。
声が…でない。
同じクラスの東ゆゆ。
両親は共働きでお金持ちでついこないだも海外旅行で学校を1週間ほどいなかった。
あの…わがままな子が…。
どうして…どうして…!?
なんで付き合って……。
やだよ…やだ…。
「千尋?!大丈夫?!」
「落ち着いて千尋!ゆっくり息を吐いて!」
さゆりが背中をさすってくれた。
息を切らしていろいろと頭の中がパニックになった。
理解するのにも頭の中がぐるぐると駆け回った。
私はまた感情が混み上がってただ泣いていることしかできなかった。