愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
ほらまた同じ繰り返し。
手に追えない背中を無理に掴もうとして空回りばかりするの。
私のせい。結局そうだよ。
ゆゆちゃんの目線を気にしてしまう。
過去だよ。過去だけど、なんで?
なんでゆゆちゃんなの?
私は…私じゃダメなの…?
だって……圭太だって…――
「千尋、しっかりしろ!
いいか千尋、俺は千尋を助ける。
だから言ってごらん。」
「…なん…で、私なんかを…助けるの…っ。わるいのは…わたしなのっ…に…」
「ばーか、目の前で泣いてる友達を助けるのが当たり前だろ。
なにかあったんだって思うよ。」