愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】

「それと…千尋に聞きたかったことがあるんだけど…」

「うん。…なに?」

「千尋、お前恋から逃げてないか?」

一瞬心がざわめいた。

「どうして…」

「人を好きになることは素敵なことなんだよ。
怖いという後の事ばかり考えてもなにも進まない。
誰に何を言われようが運命には別れがあり、また出逢いがある。
自分を信じるしかないんだ。」

私…いいのかな…。
人を好きになって…いいのかな…。

「ごめんなさい…ごめんなさい…っ」


夕日君は…圭太の代わりに過ぎなかったの…。


「…うん」


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