愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「っ……!!」
後ろから誰かに押された。
その場で前に膝まついて倒れた。
膝をアスファルトに思いっきりぶつけた。
「千尋、大丈夫?うわ、血やべーじゃん。」
アスファルトに擦りむいた手のひら。
じわじわと親指がいたい。
皮が捲れた。
それから足もズキズキと痛い。
転んだとき足を挫いた。
「足が……痛い…っ…」
「捻挫か?おい誰だよ押したやつ。」
「あ、おれおれー。なんか邪魔な銅像あったから押したらそいつだったー。」
「謝れよ!!」
「え、やだ。そいつに謝るなら死んだ方ましだわ。ウケんだけど転んだだけで血出るとか(笑)」
「死ねよクソ。失せろ。」
私は消えない痛みが心にある。