愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
――――ケータイの着信音が鳴った。
さゆりからだった。
〈ごめん、起きてる?〉
〈ううん、こないだはごめんね。心配させちゃって。〉
〈そっか。あのさ、圭太の事なんだけど…うち勘違いしてた。〉
〈え?なんで?〉
もしかして圭太が原因でまたストレスがたまったのかな、なんて心配させてるんじゃないかな…。
〈うち、中2までいじめられてて…。自分でも言うのは嫌なんだけど、千尋には話したかった。〉
余りにも衝撃すぎてしまった。
さゆりがそんな事あったなんて気づいてあげれなかった。
私とさゆりがどこか似ていたから…。